このたび、2021年「ユネスコ/日本ESD賞」の受賞者について、以下のとおり決定した旨、ユネスコ本部から発表されましたので、お知らせします。
また、令和3年11月19日(金曜日)にオンラインとオンサイト(パリのユネスコ本部)のハイブリッド形式にて表彰式が開催され、全世界にライブ配信される予定です(日本語同時通訳あり)。
なお、ユネスコ/日本ESD賞は、世界中のESDの実践者にとってより良い取組に挑戦する動機付けと、優れた取組を世界中に広めることを目的として、2015年に日本政府の財政支援によりユネスコに創設されたものです。
【選考結果について】
ユネスコ加盟国54か国及びユネスコと公式パートナー関係にあるNGO8機関からユネスコ本部に推薦された、合計113件の候補案件の中から、国際審査の結果、次の3件が2021年の受賞機関・団体としてユネスコ事務局長により決定されました。(奨励金:1件当たり5万米ドル)
・World Vision Ghana(ガーナ)
持続可能性の核となる能力である批判的思考に焦点を当てた識字能力の開発に対する総合的アプローチを促進する「Unlock Literacy Project (UL)」を運営。本プロジェクトは、初等教育段階の子供たちが地域の諸課題について批判的に考える能力を醸成し行動を起こすこと、そして多言語教育を通じて読書を刺激的で自信につながるようなものにすることを目指している。
・Media Development Center of the Birzeit University(パレスチナ)
パレスチナにあるビルツァイト大学のメディア開発センターは、メディアを、社会的変化や持続可能な開発の必要不可欠な部分であり、取り残されたコミュニティに住む女性及び男性両方のエンパワーメントや参加の手段と見なしている。「持続可能な社会のためのメディアと情報リテラシー」プロジェクトは、実用的な実践的学習及び対話を通じた研修を通じたメディア及び情報リテラシーの開発を目指している。
・Kusi Kawsay School(ペルー)
ペルーにあるインカ帝国の聖なる谷の辺境の地において、10年以上もの間、Kusi Kawsay Andean School及びÑawpa Ñan Cultural Eventsは、土着の人々の権利、文化、価値観及び生活の保護及び保存を促進している。土着文化の醸成は、ヴァルドルフ教育を通じた教育の現代的な要件と結びつくものである。本プロジェクトは、現代社会における地球規模課題への対応を模索しつつも、人々に尊厳という力を与える土着及び地元の文化や価値観、そしてコミュニティ構成員間の幸福感やウェルビーイングのような、多くのESDの主要な要素に取り組んでいる。
参考:選考基準
1. ESDが持続可能な開発を支える変容をもたらす教育として行われており、個人及び社会の変化につながっていること
2. 持続可能な開発に必要な3つの側面(社会、経済、環境)を一体的に取り扱っていること
3. イノベーションを促すアプローチを採用していること