政府間水文学計画(IHP)

国際協力による水資源の最適な管理のための科学的基盤の提供を目的に1975年に開始した政府間共同事業で、世界的観測網によるデータ収集、世界の水収支の解明、人間活動が水資源に与える影響の解明などに関する科学的及び教育的事業を実施しています。

政府間海洋学委員会(IOC)

1960年に設立された、ユネスコ傘下の海洋に関する包括的な政府間委員会で、海洋科学調査及び研究活動に係る唯一の国際機関として、一定の独立権能が与えられています。主な事業として、海洋観測・調査、海洋データの収集管理及び交換、津波早期警戒システムの構築、教育訓練、地域協力を実施しています。2021年に開始した持続可能な開発のための国連海洋科学の10年の提案主体であり、実施計画策定機関として様々な取組を推進しています。

持続可能な開発のための国連海洋科学の10年(2021-2030)

海洋科学の推進により、持続可能な開発目標SDG14「海の豊かさを守ろう」等)を達成するため、2021年から2030年の10年間に集中的に取組を実施する国際枠組みとして、2017年12月の第72回国連総会で採択されました。ユネスコの政府間海洋学委員会(IOC)が実施計画策定機関となり、2018年から2年間の準備期間を経て、2020年12月に第75回国連総会で実施計画が感謝とともに留意された上で策定されています。実施計画では、10年間の取組で目指す社会的成果目標として、きれいな海、健全で回復力のある海、予測できる海、安全な海、持続的に収穫できる生産的な海、万人に開かれ誰もが平等に利用できる海、心揺さぶる魅力的な海の7つが掲げられており、そのために、海洋汚染の減少や海洋生態系の保全から、海洋リテラシーの向上と人類の行動変容まで10の挑戦課題に取り組むこととされています。

海水浴いなか浜©屋久島町(屋久島・ロ永良部島ユネスコェコパーク)
ダイピング©屋久島町(屋久島・ロ永良部島ユネスコエコパーク)

人間と生物圏(MAB)計画/生物圏保存地域(ユネスコエコパーク)

人間と生物圏(MAB)計画は、生物多様性の保護を目的に、1971年に開始した自然及び天然資源の持続可能な利用と保護に関する科学的研究を行う政府間共同事業で、生物圏保存地域(ユネスコエコパーク)を指定する等、持続可能な自然と人間との共生を目指す活動を推進しています。生態系の保全と持続可能な利活用の調和を目的としており、保護・保全だけではなく自然と人間社会の共生に重点が置かれています。2021年はMAB計画50周年です。

ユネスコエコパークは、豊かな生態系を有し、地域の自然資源を活用した持続可能な経済活動を進めるモデル地域です。

  • 登録地域数:129か国714地域
  • うち国内は10地域
  • ※2020年10月現在
真原の桜と甲斐駒ヶ岳©南アルプス市(南アルプスユネスコエコパーク)
緩衝地域内の森林の保全と利活用の両立させる方法を検討するための学術請査(新潟大学による植生調査の様子)©中野陽介(只見ユネスコエコパーク)

世界自然遺産が、顕著な普遍的価値を有する自然を厳格に保護することを主目的とするのに対し、ユネスコエコパークは自然保護と地域の人々の生活(人間の干渉を含む生態系の保全と経済社会活動)とが両立した持続的な発展を目指しています。登録地域は、域内の自然の成り立ちや、そこで育まれた歴史文化に対する理解を深めるほか、地域づくりの担い手を育成することが期待されています。また、世界ネットワークの一員として、登録地域同士の学び合いを通じてさらに取組を進めることが求められています。

紅葉の刈込池©白山ユネスコエコパーク協議会
地獄谷野猿公苑©山ノ内町(志賀高原ユネスコエコパーク)
桃狩り©甲武信ユネスコエコパーク推進協議会

ユネスコ世界ジオパーク

ユネスコ世界ジオパークは、国際的に価値のある地質遺産を保護し、そうした地質遺産がもたらした自然環境や地域の文化への理解を深め、科学研究や教育、地域振興等に活用することにより、自然と人間との共生及び持続可能な開発を実現することを目的とした事業です。ユネスコの国際地質科学ジオパーク計画(IGGP)の一事業として実施されています。

ユネスコエコパークとユネスコ世界ジオパークは、人々の生活と自然の調和を通じたSDGsのモデル地域としても注目されています。

  • 登録地域数:44か国161地域
  • うち国内は9地域
  • ※2020年7月現在
大室山約4000年前に噴火した火山によるスコリア丘©伊豆半島ジオパーク推進協議会
昭和新山と洞爺湖©洞爺湖有珠山ジオパーク推進協議会

ユネスコエコパーク

ユネスコエコパーク(生物圏保存地域)は、生物多様性の保護を目的に、ユネスコ人間と生物圏(MAB)計画(1971年に開始した、自然及び天然資源の持続可能な利用と保護に関する科学的研究を行う政府間共同事業)の一環として1976年に開始されました。

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ユネスコ世界ジオパーク

「ユネスコ世界ジオパーク」は、国際的に価値のある地質遺産を保護し、そうした地質遺産がもたらした自然環境や地域の文化への理解を深め、科学研究や教育、地域振興等に活用することにより、自然と人間との共生及び持続可能な開発を実現することを目的とした事業です。ユネスコの国際地質科学ジオパーク計画(IGGP)の一事業として実施されています。

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