教育は、平和の構築、貧困の撲滅、持続可能な開発の推進というユネスコの使命の中心に位置づけられています。ユネスコは、教育の全ての領域を担う唯一の国連機関として、持続可能な開発目標4(教育)の推進を主導するとともに、世界の教育システムを強化し、教育を通じて現代社会の世界的な課題に対応しています。
ESDとSDGs
持続可能な開発のための教育(ESD:Education for Sustainable Development)は、持続可能な社会の創り手を育むため、現代社会における地球規模の諸課題を自らに関わる問題として主体的に捉え、その解決に向けて自分で考え、行動する力を身に付けるとともに、新たな価値観や行動等の変容をもたらすための教育です。
ESDは2002年の「持続可能な開発に関する世界首脳会議」において日本政府が提唱した考え方であり、ユネスコを主導機関として国際的に推進されています。
2019年12月の国連総会決議においても、ESDが持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)全てのゴールを達成するための鍵であることが確認されています。
SDG4(質の高い教育をみんなに)
ユネスコは、SDGsゴール4(教育)の国連システムにおける主導機関として、世界的な議論を主導しています。ユネスコ加盟国、ユニセフや世界銀行など他の国際機関等により構成される「SDG4-教育2030ハイレベルステアリング・コミッティ」がユネスコを事務局として設置され、国連全体としてのSDG4推進方策について議論されています。
ユネスコスクール
ASPnet(Associated Schools Network)は、ユネスコの理念を学校現場で実践するための国際的なネットワークとして、1953年に発足しました。日本では、ASPnetへの加盟が承認された学校を「ユネスコスクール」と呼ぶとともに、ESDの推進拠点と位置付けています。ユネスコスクールでは、平和や国際的な連携を実践し、カリキュラム・マネジメントや社会に開かれた教育課程等、ESDの実践に関する多くの優良事例が生まれています。
ユニツイン/ユネスコチェア
ユニツイン(UNITWIN:University Twinning)/ユネスコチェア(UNESCO Chairs)とは、知の交流と共有を通じて、高等教育機関および研究機関の能力向上を目的とするプログラムです。高等教育機関の国際的な連携・協働を促進することにより、人的・物的資源のシンクタンクとして、また教育・研究機関、地域コミュニティ、政策立案者間の橋渡し的存在としての役割を担っています。