歴史的建造物から伝統工芸技術まで、有形・無形を問わず、文化は私たちの生活との密接な関わりの中で生まれ、発展を遂げてきました。ユネスコでは、文化遺産及び自然遺産の保護、保存、創造及び開発を通じた文化多様性の実現へ向けた様々なプログラムを展開しています。
世界遺産
「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約(世界遺産条約)」は、文化遺産及び自然遺産を人類全体のための世界の遺産として損傷、破壊等の脅威から保護し、保存することが重要であるとの観点から、国際的な協力及び援助の体制を確立することを目的に、1972年にユネスコで採択されました。日本は1992年に条約締結をしています。
無形文化遺産
ユネスコ・クリエイティブシティーズネットワーク(ユネスコ創造都市ネットワーク)
ユネスコ創造都市ネットワーク(UCCN:the UNESCO Creative Cities Network)は、2004年に発足し、経済的、社会的、文化的、環境的側面において、創造性を持続可能な開発の戦略的要素として認識している都市間の協力を強化することを狙いとしています。
このネットワークに参加することで、各都市は優良事例を共有して、創造性と文化産業を促進するパートナーシップを構築し、文化的生活への参加を強化し、都市開発計画に文化を統合します。 さらに、本ネットワークは、国連の枠組み、特に「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を支持することを約束します。
令和5年10月30日現在、世界の加盟都市は350都市で(うち日本の加盟認定は11都市)7つの創造的な分野(文学、映画、音楽、クラフト&フォークアート、デザイン、メディアアート、食文化)のいずれかに分類されています。
世界の記憶
世界的に重要な記録物への認識を高め、保存やアクセスを促進することを目的とし、ユネスコが1992年に開始した事業の総称です。本事業を代表するものとして、人類史において特に重要な記録物を国際的に登録する制度が1995年より実施されています。
国際諮問委員会(IAC:International Advisory Committee)の勧告に基づき、ユネスコ執行委員会において決定される国際登録のほか、「世界の記憶」アジア太平洋地域委員会(MOWCAP:Memory of the World Committee for Asia and the Pacific)等が決定する地域登録があります。
ユネスコにおいて日本関連とされている物件は、国際登録8件、地域登録(MOWCAP)1件です。