軍事クーデターが起こって1年が経過しました。

世界寺子屋運動では、2017年からヤンゴン北部に隣接するバゴー地域で継続教育プログラムを展開し、年間480人の子どもたちが学んでいました。

学習機会の提供だけでなく、日本のユネスコ協会・クラブのスタディツアーや、ミャンマーの担当者来日時の報告会など、顔の見える交流も少しずつ実現していました。

治安状況が全国で急速に悪化し、2021年3月に活動休止を余儀なくされたのは、そんな矢先でした。

 

ヤンゴンにあるパートナー団体担当者とは、電話などでの連絡を定期的に続けています。

ミャンマー各地の担当者間のオンライン会議

報道にもあるように、公立学校は通学可能になっていますが、教員も児童生徒も学校に戻っているのはごく一部に留まります。このまま過去のような軍政に戻りたくないからという人や、通勤・通学の安全面の不安が大きい人がほとんどです。

コロナ禍、政情、それらによる困窮化で、長期にわたって教育が中断されています。

 

継続教育プログラムについては、再開を求める学習者やその家族から、多くの問い合わせが現地パートナー団体へ寄せられています。それを受けて、再開に向けた情報交換や話し合いが続けられてきました。

 

一部でもオンラインにできれば、安全面の不安は軽減できますが、今もネットの切断が起こります。スマートフォンなどの端末も、全員が持っているわけではありません。

また、現状が長期化する中、厳しい制約がありながらも続いている社会経済活動の様子だけで判断するのではなく、現地に暮らす人びとの感情への配慮も欠かせません。