舞台は大阪・関西万博の国連パビリオン!ユネスコ・キャンパスで生まれた対話
新井真帆(ユネスコ・アジア文化センター)
ユネスコ・バンコク事務所とユネスコ・アジア文化センターは、2025年7月21日「海の日」に、大阪・関西万博の国連パビリオンにて、ユネスコ・キャンパスの「海の日」特別授業「つなげよう いのちを育む海のバトン」を開催しました。
ユネスコ・キャンパスとは、現代社会の課題や市民としての自らの役割について、若者たちがよりよく理解することを狙いとして立ち上げられたユネスコのプログラムです。同プログラムでは、多様な専門家を招き、若者たちとの水平的かつオープンな議論が行われています。※
今回のUNESCOレポートでは、ユネスコが取り組む「Sustaining Our Oceans」(私たちの海を支える)プロジェクト、そして「海の日」当日のイベントの様子をご紹介します!

大阪・関西万博 国連パビリオン
「Sustaining Our Oceans」(私たちの海を支える)プロジェクト※※
「Sustaining Our Oceans」(私たちの海を支える)プロジェクト(以下、SOOプロジェクト)とは、ユネスコ・バンコク事務所が中心となって進めるプロジェクトです。その目的は、東南アジア(インドネシア、タイ、ベトナム)そして日本の若者たちが、人と海洋生態系との結びつきを学び、海洋保全のスキルを育み、持続可能な未来を目指していくこと。海洋の問題を理解し、積極的に保全活動に参加できるよう、若者たちをサポートしています。なお、SOOプロジェクトはユニクロの親会社である株式会社ファーストリテイリングのご支援を受け、実施されています。
東南アジアでは、ユネスコエコパークでの活動が展開されています。日本ではユネスコ・アジア文化センターが事務局を担っています。2024年11月には新潟県糸魚川市でのジオパークを活用した海洋教育のスタディビジット(2024年11月)を実施しました。

新潟県糸魚川市でのフィールドビジットの際の様子(2024年11月)
「海の日」特別授業 ~会場は大阪・関西万博 国連パビリオン
SOOプロジェクトの一環として行われた、ユネスコ・キャンパス「海の日」特別授業「つなげよう いのちを育む海のバトン」。当日は、大阪・関西万博 国連パビリオン イマーシブシアターに、ユネスコスクール加盟校を中心とした中高生33名と先生7名、合わせて40名が集まりました。

プロジェクト紹介の様子
イベントでは、はじめに、ユニクロより海洋ごみを減らす活動に貢献するキャンペーン「JOIN: THE POWER OF CLOTHING」(2022年・2023年実施)の紹介があり、その後、ユネスコ・バンコク事務所よりSOOプロジェクトの説明がありました。
続いて、河瀨直美氏(映画作家/ユネスコ親善大使)、田口康大氏(みなとラボ代表理事/東京大学海洋教育センター特任講師)、中川夏舟氏(東京海洋大学3年生/igoanユネスコクラブ(非公認)副代表)をステージ上にお迎えし、SOOプロジェクトで開発中のゲームを中高生とともに体験してもらいました。

ゲーム体験の様子(中川氏、河瀨氏)
このゲームでは、VRゴーグルやスマートフォンを用いて、タイ・ラノンの海に生息する20種の生物の識別に挑戦します。画面上にはタイ・ラノンの海が広がっており、参加者は海や生物について楽しみながら学びました。
登壇者と中高生の対話
ゲーム体験に続いて行われたのは、海洋教育の専門家である田口氏のファシリテーションによるトークセッションでした。河瀨氏にはご自身と海とのつながりや、思いについてお話しいただきました。中川氏からはご自身が副代表を務めるigoanユネスコクラブの活動のご紹介や活動に関わる中で感じていることについてお話しいただき、その後、中高生から様々な質問が登壇者に投げかけられました。
トークセッションは海と人間、そして世界のつながりについて気づかされる機会となりました。
田口氏は締めくくりとして、このトークセッションが、専門家が一方的に話すこととは異なる「対話を重ねているような感覚」であったと述べ、参加の中高生には、本イベントでの学びについて周囲の人たちと「対話をしてほしい」と呼びかけました。田口氏が強調した「対話を重ねていくことの大切さ」。イベントを通じて「対話」の重要性を会場にいる全員で学びました。

トークセッションの様子(河瀨氏、田口氏)
イベント終了後に、参加者のみなさんに「自分が今後取り組みたいアクション」を書いてもらいました。
「海からの愛を受け取り海を愛する」―海と人間との双方向の愛についての学びを得たことが伺えるアクションや、「対話を重ね、周囲の人々に海について知ってもらう!」―「対話」の重要性を強調したアクション等、多くの心に響くアクションを寄せていただきました。

参加者の「自分が今後取り組みたいアクション」
ユネスコ・アジア文化センターはSOOプロジェクトの日本における事業の事務局として、今後も国内でのフィールドビジット等を予定しています!多様な立場のひとたちを巻き込んだ「対話」の機会が創出できるよう、引き続き取り組んでまいります。
※UNESCO Campus(UNESCO HP)参照。
※※詳細は「Sustaining Our Oceans」(私たちの海を支える)プロジェクト(ユネスコ・アジア文化センターHP)をご覧ください。
DATA
イベント名 | ユネスコ・キャンパス「海の日」特別授業 「つなげよう いのちを育む海のバトン」 |
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開催日 | 2025年7月21日(月・祝) |
会場 | 大阪・関西万博 国連パビリオン イマーシブシアター |
参考情報 | 7月21日“海の日”に開催!「つなげよう いのちを育む海のバトン」(ユネスコ・アジア文化センターHP) |