全国各地で活動するユネスコ協会。その中でも今回は仙台ユネスコ協会の皆さんに最近の活動や青年部の動きについて伺いました。

Q:仙台ユネスコ協会の普段の活動を教えてください。

見上さん:社団法人であるため、公益事業を主に行っています。地域に根差した活動では、コロナの中で仙台市にマスクを寄付しています。また、他団体との情報交換や全国の協会連盟における情報共有などの発信もおこないます。他には歴史文化の取り組みやキリバス共和国での活動など、仙台ユネスコ協会の活動の幅は多岐にわたります。

Q:キリバス共和国での活動とは、どのようなものなのでしょうか?

内藤さん:SDGsを学ぶ際に、日本在住のキリバス人の方から、キリバスは近年問題になっている気候変動の影響を強く受けていることを教わり、何か行動に移したいと感じたところから始まりました。対等な関係であることを基本として、ユネスコと親和性が高い地域であり、民間ユネスコを立ち上げる活動を去年から開始しています。コロナ禍で難しい状況でしたが、ユネスコスクール間の連携や文化交流などを行い、キリバスでユネスコ活動を広げていく段階にあると思っています。

Q:キリバス共和国と関わる中で得られた学びを教えてください

内藤さん:小学生間での交流により、刺激を受けた場面がありました。気仙沼の小学6年生による「伝えていきたい伝統文化はなんですか?」という問いに対して、「人を尊重する気持ちが伝統文化です」という返答が返ってきたことが特に印象に残っています。小学生というとまだ幼いという感覚を抱きがちですが、国境を越えて互いに自国の伝統文化について考えているということを発見することができました。また、文化の背景にあるものを継承しているということを学びました。

Q:小学生という幼い年齢の子供たちも、自国の文化について考え、学び、共有している姿は、私たちも見習いたいものです。貴重なお話をありがとうございます。続いて、ホームページに掲載されているSALON&ZOOM講座について教えてください。

内藤さん:コロナで大人数が対面で集まることが難しくなったことで始まった活動です。オンラインと対面のハイブリットで集まり、ユネスコに関する講座を開いています。開催は参加しやすいよう休日にしています。

2月のSALON&ZOOM講座では、「海洋プラスチック問題」と「家庭でできるSDGs」という2つのテーマについての講和がありました。海洋プラスチックによる環境や経済問題について知り、プラスチックとの付き合い方を考えるきっかけとなりました。。登壇者に対して質問できる時間もあり、参加者の方にとっては非常に有意義な時間になったと実感しております。

Q:オンラインと対面の両方を活用し、多くの方に参加していただける機会を作っているのですね。内容も充実していてとても興味深いです。それでは、青年部の活動について教えていただいてもよろしいでしょうか?

仲さん:高校生から社会人の20人ほどで構成されています。コロナ以前は春に新入生歓迎会、夏にユネスコキャンプ、冬に留学生交流会や勉強会、スタディーツアーなども企画していました。今年度はイタリアのベルガモ大学との交流を企画しました。双方でテーマを設けてオンラインで交流を深めることができました。

Q:青年部の活動はどのように映っていますか?

内藤さん:メンバーと積極的に交流しながら活動したいと思っている人が多い印象です。オンラインを活用しながら、コロナ以前の活動体制に囚われることなく、コロナ禍に対応した新しいものを生み出すことができるようなアイデア生まれる環境は、非常に刺激的です。青年部を卒業した大人世代の私たちは、青年部の活動に新鮮な気持ちで参加させてもらっていますし、今後も協働していくことで仙台ユネスコ協会の発展に繋げていければと考えています。

Q:協会の特色とはなんでしょうか?

見上さん:ライフスタイルが急激に変化する中でSALON&ZOOM講座をすぐに始められた点は強みだと思っています。多くの協会が戸惑う中で、「まずやってみて慣れる」ことを重視し、実践できたことはよかったです。柔軟性とチャレンジ精神は、今後も引き継いでいきたいものですね。

内藤さん:研究、勉強をしながらユネスコ協会外の人も巻き込み広げていけることも仙台ユネスコ協会の特色だと考えております。どちらにも良さがありますが、フレキシブルに色々な人が入ってくることが大学の中にあるユネスコクラブとは違うところです。

Q:今後の展望を教えてください

見上さん:ユネスコ憲章にあるように平和を目指していきます。世界はとんでもない状況にあり、戦争に駆り出されるのは若者です。年配者はどうすればいいのか、ESDやSDGsの中で平和を推進する方法を市民レベルでも考えていくことが必要です。平和について考えることができるイベント企画を打ち出していきたいと考えています。

内藤さん:キリバス情勢について、難しいところもありますが、民間だからこそできる柔軟な動きがあると思っています。また、現地の人と交流することで、お互いを身近に感じることができ、平和の砦を築くきっかけになると考えています。引き続き、キリバス共和国との連携を深めていくと共に、国際平和について少しでも良い影響を与えられれば幸いです。

1947年に設立され70年以上の歴史がある仙台ユネスコ協会は歴史を振り返るだけでなく、これからの未来を見据えていました。この記事を読んで仙台ユネスコ協会へ興味を持っていただけたなら、ぜひ仙台ユネスコ協会のホームページもご覧いただければ幸いです。

仙台ユネスコ協会HP
https://www.unesco.or.jp/sendai/news/#rep54

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