2023年12月18日(月)〜20日(水)に国連大学(東京都)において、第1回ESD-Net 2030 Global Meeting が開催され、次世代ユネスコ国内委員会からは2名のメンバーが出席しました。本会議は、ESD for 2030における各国の取り組みを共有し、ESD実践における様々なステークホルダー間のネットワークを構築し、コラボレーションの可能性を探ることを目的としています。今回は、約80か国からESDに取り組む数多くのテークホルダーが集まり、事例紹介やグループ討議を行いました。

18日はパネルディスカッション、ESDの今後の方向性や課題を議論するセッション、日本のグッドプラクティスを共有するセッション、4つのグループに分かれてのグループセッションが行われました。その中の一つとして、「持続可能な開発のための教育におけるユースの有意義な参加を確保するための世代間アプローチ」と称したユース主催のセッションが開催され、パネリストである5名のユースの各国での取り組みや課題感が共有されました。ヨーロッパ、アフリカ、アジア、南米など地域によってESDの取り組み方や実践度合いが異なることを反映して、それぞれユースが取り組む活動や問題意識も多様なものでした。一方で、ユースのプラットフォームの必要性や、様々なアクターとのコネクションづくりの必要性など、日本で取り組む私たちを含めたユース全体が共有する課題感も浮き彫りになりました。

また、ディスカッションにおいては、「大人の立場から、アクティブなユースを見つけ、さらに彼らにどのようにアプローチしたらいいのか、どのように支援したらよいのかわからない」といった質問が上がりました。それに対する「ユースを支援したい、助けたいといった視点ではなく、ユースの(あなたたちの)力が必要、こういったところで協働したい、といったメッセージをユースは求めています。また、ユース側からこうしてほしいといった要望ばかり出すのではなく、お互いの立場から何が必要か、どういった協力が可能かを模索していくことが必要です」という応答は、世代を超えて協働していこうという力強いメッセージのように感じました。

19日は、ESDを実践する様々なフィールド(幼稚園・小学校・中学校・高校・公民館)に参加者たちが訪問するプログラムが開催されました。午後には、地域ごとに分かれたセッションが行われました。次世代ユネスコ国内委員会メンバーのうち一人はアフリカセッションに、一人はアジア太平洋セッションに参加しました。予定時間を大きくオーバーしても続く白熱した議論に、教育関係者の皆さんの熱意を感じました。

20日は、前日の地域セッションを踏まえた議論の共有とクロージングでした。そこで、次世代ユネスコ国内委員会のメンバーの一人がアジア太平洋グループの発表者として登壇しました。

 

登壇したメンバーの感想
“私たちアジア太平洋グループでは、世代・国籍を超えた協働を表現するという意味を込めて、私を含めた3名で発表を行いました。初めての国際会議への参加で不安もありましたが、地域セッション後にカフェでメンバーと準備をし、無事本番を迎えることができました。ESDの推進に向けて、アジア太平洋グループとして協働していこうという士気の高まりと、それに向けた第一歩を経験でき、大変嬉しく思います。”

ESDは、包括する範囲が広く、ステークホルダーも多様な中で、世界で目指すべき方向が曖昧になりがちです。一方で、デジタル社会への移行、グリーントランジションといった新たな課題に取り組む上で、コラボレーションはなくてはならないものです。そのような中で、今回多くのステークホルダーが一堂に会し、熱意と粘り強さをもって3日間議論したことは印象的でした。さらに、多くの関係者が、ユースである私たちと喜んで議論し、色々な質問を投げかけてくれました。また、クロージングにおいて、ユネスコのジアニー二氏事務局長補が「ユースにさらなるリーダーシップを」と呼びかけたことは、いかにユースの参画が期待されているかということを感じる瞬間でした。

この3日間で私たち次世代ユネスコ国内委員会も各国のユースとの繋がりを作ることができました。今後も継続的にコンタクトを取り合い、協働していく道を探していこうと考えます。

DATA  
イベント名 ESD-Net 2030 Global Meeting
開催日時 2023年12月18日(月)〜20日(水)
会  場 国際連合大学
執  筆 次世代ユネスコ国内委員(2023年12月現在)東 和佳奈・小林真緒子

※ ESD-Net 2030 Global Meetingについての詳細はこちら(英語のみ)

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