コロナ禍の現在、「新しいコミュニティに入る」「人と関わる」今まで当たり前に行われていたものが難しくなっています。そんな今だからこそ、ほんの小さな一歩踏み出して、「ヒト」と「世界」と繋がってみませんか?
今回は杉並ユネスコ協会の青年理事である佐藤航さんに、ユネスコ活動に関わるようになったきっかけやここまで活動を続けてきた理由について、聞いてみました。
Q:佐藤さんはいつからユネスコ活動に関わっているのでしょうか?
佐藤さん:私は杉並ユネスコの中学生クラブ出身で、中一からやっていたので、ユネスコに関わっているのはもうすぐ15年ですかね…
Q:15年も同じ組織に所属するのはとてもすごいことですね。ここまで続けてきたのには理由があるのでしょうか?
佐藤さん:中学生の時は参加者側なので、単純に英会話や国際理解の授業が楽しくて続けていました。高校生以上になってからもずっと続けてきた要因としては、「つながり」が大きかったと感じています。
ユネスコの活動を通して出会う、学校も年齢も違う子ども達と一つのプログラムをつくっていくことが新鮮でした。キャンプなどの活動は、何ヶ月も前から準備をおこないますが、直前になると毎日顔をあわせて準備をするため仲良くなっていきます。更に、キャンプが無事成功に終わると、達成感を得ると共に絆も深まり、その後のプログラムも続けていく仲になっていきます。活動の中で非常に濃い人間関係を醸成することができましたし、それによってユネスコ活動を楽しく続けることができたと感じています。
Q:活動を続けてきたからこそ感じる自分の成長や変化などはありましたか?
佐藤さん:学校では体験できない活動に参加することで、かなり視野が広がりました。
例えば韓国とか広島に行ったとしても、その地について学ぼうという姿勢は、プライベートの旅行ではなかなか生まれにくいと思います。しかし、スタディーツアーでは、現地の歴史や文化について学ぶことができます。その地で起きた出来事を肌で感じることができ、かなり大きな収穫を得ることができたと思います。ただ楽しかったというような物足りないプログラムではなく、知的好奇心を刺激されるような経験となったため、自然と視野が広がりました。普通に学校に通っていただけでは得難い経験であり、ユネスコやっていて良かったなと思います。
余談ですが、ユネスコ活動を通して仕事に活かせたところもあったのかなと思います。現在は区役所に勤めていますが、ユネスコ活動で得た知識や経験、価値観が、役に立ったかなと感じています(笑)
Q:最初は参加者側だった佐藤さんが主催者側に回ってユネスコに関わるようになったきっかけは何かあったのですか?
佐藤さん:最初は兄が入っていたこともあり、楽しそうだと感じて参加し始めたのがきっかけだったのですが、どこか青年部に対する憧れみたいなものはありました。企画部がイキイキとしていて、自分もやってみたいという気持ちを抱いていました。
この企画やりたいっていうよりかは、漠然と企画側に回り、実際に活動を運営することへの憧れが強かったのかなと思います。
Q:現在は杉並ユネスコ協会で青年部理事をされていると思います。後輩を見ていく中で、印象的だった出来事やエピソードなどはありますか?
佐藤さん:立場が上がるにつれて、イベントを企画することは人を成長させるということにつながると感じるようになりました。青年部に入ったばかりの人は企画も慣れていないので、右も左もわからない状態で先輩に教わりながらスタートします。しかし、ユネスコ活動の企画を通して成長していき、上級生になると、非常に頼りがいのある人になっているということが多くあります。
やはり、青年部として企画する力を養うこと、周りの中学生の面倒を見るということ、企画書を作成してプレゼンすること等、学校ではあまりないことを経験していく中で、その後の将来に役に立っている部分が多くあります。
また、イベントの場面では、キャンプでの成長が一番大きいと感じています。勉強詰めというような真面目な場ではありませんが、5日間という限られた時間を外国人の方と毎日過ごしていく中で、中学生が成長を見せてくれます。積極的かつ主体的に会話し、異文化理解に努めることが成長につながるのかもしれません。
中学生のキャンプが終わって、親御さんから「うちの子、すっかり変わっちゃいました!」という、お褒めの言葉をいただくこともありました。こういったポジティブな声を聞くと、5日間という短い時間だけでも、人生に多大な影響を与えるイベントなのかもしれないと感じます。
実際、私も中学3年間は参加者側でしたが、今でも記憶が鮮明に残っています。キャンプをはじめとするのユネスコ活動の影響があり、海外行きたい気持ちが芽生え、高校生の時に留学に行きましたし、自分の人生は大きく変わったと実感しています。
Q:大変魅力溢れる杉並ユネスコについてお話をお伺いしてきましたが、最後何かメッセージなどはありますか?
佐藤さん:本当にうちの団体は、楽しいですよ(笑)
もう十年来ですけど、毎年旅行に行くいつメンバーもいますし、ユネスコを通してびっくりするくらい仲良くなった友達もいます。中には、家族とか兄弟みんなユネスコ来ている人もいるので、ユネスコを通して家族みんな仲良くなるというケースもあります。
また、単に和気藹々とするだけではなく、ユネスコを通さなければ学べない経験が本当にたくさんあったと、振り返ってみて気づきました。
ユネスコ活動で得た経験がこの先の進路や将来の夢に影響していくと思うので、自分が今後何をやりたいかを見つけるためにはいい場所だと思います。
国際理解に興味がある人が多い傾向はありますが、最初は興味がなくても、この活動を通して興味知識を深めていく、そんな場所でいいのかなと思います。
(後記)
何かをはじめる時、確固たる意志を持っている人はそこまで多いわけではないと思います。案外「出会っちゃったから」というシンプルな理由で活動に参加する方も多いのではないでしょうか。「友達や知り合いがやっていたから」「なんとなく面白そうだったから」入り口がどうであれ、その出会いがどういう形になっていくのかは、実際に踏み込んだ人にしかわかりません。この記事がどこかの誰かにとって、ユネスコと出会い、そして関わっていくことの馴れ初めになりますように。