みなさん、こんにちは。 大分県臼杵市(ユネスコ食文化創造都市)出身、次世代ユネスコ国内委員会委員の佐藤世壱です。
その土地固有の文化を「創造性」の源泉として捉え、次代につながる発展の原動力とする。この「ユネスコ創造都市ネットワーク(UNESCO Creative Cities Network :UCCN)」の理念が今、世界的な広がりを見せています。2025年10月14日(火)、映画創造都市である山形県山形市を舞台に「第8回ユネスコ創造都市国内ネットワーク会議」が開催されました。

11都市が向き合う「現在地」 〜課題の共有こそ、ネットワークの強み〜
本会議はUCCNに加盟する国内全11都市の関係者が一堂に会する、年に一度の機会です。私は高校時代から地元の臼杵市で本事業に関わってきましたが、全国の創造都市が一つのテーブルを囲み、未来を議論する場に立ち会うのは今回が初めてでした。各都市の「その土地ならではの価値」がいかに交差し、どのような未来が描かれるのか。期待を胸に会議に臨みました。

本会議では、「地域固有の価値を、いかに持続的な発展の軌道に乗せるか」という共通命題に対し、以下のような広範かつ具体的な議題が展開されました。

- 分野横断型連携の可能性: デザイン都市と食文化都市など、異なる分野の知見を融合させた新たな価値創出
- 国際的ネットワークの活用: 世界350都市に広がるネットワークと、各都市の発展との結びつき
- 事業の継続性と基盤強化: 創造都市の理念の実現を支える、実務的な運営体制や財源確保
- 戦略的広報のあり方: 創造都市の取り組みの意義を、市民や国内外に浸透させるための施策
会議には文部科学省の北山国際統括官も出席され、ユネスコ創造都市の理念と、世界における加盟の動向について詳細な共有がありました。また、文部科学省が実施したアンケート結果も共有され、加盟都市が実感しているメリットとして、
- 国内外の都市との連携・交流の強化
- 地域の魅力発信・ブランディングの強化
- 市民の地域への愛着・誇りの醸成
以上、3点が挙げられました。各都市が現在地を直視し、ネットワークの力で課題を乗り越えようとする真摯な積み重ねが、外との連携を強め、内なる誇りを育む結果に繋がっているのではないかと、深く考えさせられました。
次世代ユネスコ国内委員会の紹介と「ユース実態調査」
この重要な会議で、私も「次世代ユネスコ国内委員会」の活動について紹介させていただきました。

私が所属する文化ワーキンググループでは、「『文化』は社会情勢と共に変化しており、我々が『創造』してゆくものであり、ユースの声を取り入れながら文化の保護・発展・継承を目指すことを指針として掲げています。その中でUCCNを重要な活動の軸として位置づけていることを共有させていただきました。
具体的な取り組みとして、「ユネスコ創造都市に携わるユースの実態調査」について説明し、各都市の担当者様へ協力をお願いしました。
国内からアジアへ、広がる文化の連携
続く「令和7年度創造都市ネットワーク日本国際ネットワーク部会」では、2025年の「東アジア文化都市」に選定された鎌倉市の取り組みが紹介されました。
「東アジア文化都市」とは、日中韓文化大臣合意に基づき、文化芸術による都市の発展を目指すものであり、私たちが取り組むUCCNの理念とも深く共鳴し合う事業であると伺いました。
2025年は日本の鎌倉市のほか、中国からマカオ特別行政区と湖州市、韓国から安城市が選定されており、各市の交流事業等の様子が共有されました。創造都市の活動が国内に留まらず、アジア地域の文化的な連帯にも寄与するのだと改めて認識する貴重な機会となりました。
会議の総括で得た、新たな視座
会議の結びとして、一般社団法人創造都市研究所代表理事の佐々木顧問より、総括の言葉が述べられました。佐々木顧問のお話の中で、特に深く胸に刻まれたのは以下の点です。
- 創造都市ネットワークの源流は、欧州の「欧州文化政策」にあり「地域の独自性を活かした地域活性のモデル」を世界に展開するという壮大な展望から始まったこと
- 「文化、芸術は、グローバル共有財産である」という認識は普遍的であるということ
- UCCN、創造都市ネットワーク日本(Creative City Network of Japan: CCNJ)、そして東アジア文化都市が連携し、共同で会議を行うこと自体が、国内の結束を強め、地域と世界を結びつける役割を果たしていること
私たちが地域で取り組む日々の活動は、ローカルな視点に留まるものではなく、グローバルな文化の継承と発展という大きな文脈に繋がっているのだと改めて気づかされました。

会議終了後の様子
会議を終えて〜 参加して見えた、これからの可能性〜
地域の個性を深掘りし、いかに未来の活力へと転換させるか 。高校時代からこのテーマに向き合ってきた者として、同じ使命感をもつ皆様と議論できたことは、今後の活動の大きな糧となりました。各地域の文化を守り発展させようと尽力される皆様の姿に触れ、私自身も創造都市事業により深く貢献していきたいと、決意を新たにしました。
各都市が直面する課題と、それを乗り越える独創的な取り組みについて直接お話を伺ったことで、分野や地域を超えて連携する可能性を見出しました。
この会議で得た新たな視座とネットワークを糧に、これからもユースの一員として、地域文化の継承と創造に寄与し、グローバルな連帯を促進する活動に取り組んでいきたいと思います。
DATA
| イベント名 | 第8回ユネスコ創造都市国内ネットワーク会議/令和7年度創造都市ネットワーク日本国際ネットワーク部会 |
|---|---|
| 日時 | 2025年10月14日(火) |
| 場所 | 山形市保健所第会議室 |
| 執筆 | 次世代ユネスコ国内委員会(2025年10月現在)佐藤世壱 |