2026年2月8日(日)、ユネスコ加盟75周年記念「ユネスコ日本ユース・フォーラム2025/26」が日本教育会館およびオンラインのハイブリッド形式で開催されました。 当日は、雪が降り積もるあいにくの天候にもかかわらず、会場参加89名、オンライン参加155名が集結。全国各地の10代〜20代を中心に、世代を超えた活発な交流が生まれた当日の様子をレポートします!

全体集合写真
開催の意義と背景:なぜ今、ユース・フォーラムなのか?
本フォーラムのテーマ「ユネスコの扉から つながる 広がる わたしと『セカイ』」には、次世代を担うユースたちに向けた大切な願いが込められています。 ここで言う「セカイ」とは、単に海外を意味した言葉ではありません。学校や職場、日々の暮らしの中にある身近な居場所も私たちの大切な「セカイ」の1つです。そんな多様な「セカイ」を持つユースたちが集い、新しい仲間や価値観と出会うことで知見を広げ、次のアクションへとつなげていく「プラットフォーム」でありたい。そんな想いから本フォーラムは企画されました。
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オープニング:ユネスコとつながり、次世代へバトンをつなぐ
午前中のオープニングでは、文部科学省および次世代ユネスコ国内委員会からの挨拶でスタートしました。
まず、文部科学省 岡本彩氏より開会挨拶が行われました。
日本がユネスコ加盟75周年という節目を迎えることに触れ、「立場の違いを超えて集まった皆様を『ユネスコ日本ユース』の仲間として歓迎します」と語りかけました。 2030年を見据えて「どのようなつながりを持つユネスコ日本ユースの姿を描いていくのか、その問いを共有したい」ということ、そして会場に集まった幅広い世代に向けて「若い世代の挑戦を温かく見守り、そっと後押ししてほしい」と呼びかけました。さらに私たちユースに向けて「今得られる学びやネットワークを大切にし、いつか次の世代へバトンをつないでほしい」と、未来を見据えた激励の言葉が贈られました。

文部科学省国際統括官付(2026年2月当時)開会挨拶:岡本彩氏
続いて、次世代ユネスコ国内委員会委員長の小林真緒子より趣旨説明が行われました。まず、これまではユネスコ活動に取り組むユース同士がつながってきましたが、今年はさらに輪を広げ、SDGsや社会課題解決に向けて活動しているユースともつながりを作りたいという想いを共有しました。さらに今日初めて参加した方も、ぜひここで自分自身の活動や興味を広げ、新たなアクションを起こすきっかけや出会いをつくってほしいことも、参加者へ伝えました。

次世代ユネスコ国内委員会委員長(2026年2月当時)挨拶:小林真緒子
セカイを知るPart1:世界で活躍するユースの姿
オープニングに続き、「セカイを知るPart1」では、次世代ユネスコ国内委員会 委員の橋本武龍より、ユネスコ・ユースフォーラムの参加報告が行われました。具体的には、ユースフォーラムでの各国の代表ユースとの議論の様子、グローバルおよび地域別の提言内容などの共有が行われました。同世代の日本のユースが世界中のユースと議論する姿は、参加者にとって大きな刺激となったのではないでしょうか。このように、遠く感じていた世界が、自らのアクションで関っていける「身近なフィールド」へと変わる…。そんな捉え直しのきっかけとなる時間でした。

ユネスコ・ユースフォーラムの参加報告:橋本武龍
ポスターセッション:多様な活動との出会いと交流
午前中の後半には、ユネスコ活動やSDGs推進に取り組むユースや各種団体の関係者によるポスター展示が行われました。このセッションは、参加者に多様なユース活動について知ってもらうとともに、参加者同士が直接交流し、今後の活動の発展へとつながる機会として設けられました。会場内には14のポスターが展示され、参加者が自身の関心に近い団体と直接語り合い、新たなつながりやアイデアが生まれる有意義な交流の場となりました。
【団体名一覧】
1.Wetskill Japan
2.#SASS2025「大学生による中高生のためのSDGs/サスティナビリティアワード」実行委員会
3.岡山県ユネスコスクール高等学校ネットワーク 学生スタッフ
4.鹿児島修学館中学校・高等学校
5.京都大学大学院総合生存学館
6.GOALs~学校協働SDGsチャレンジ~
7.次世代ユネスコ国内委員会
8.次世代ユネスコ国内委員会科学ワーキンググループ
9.特定非営利活動法人日本ジオパークネットワーク
10.日本有志ユースfor ユネスコMAB(MABdachi)
11.日本ユネスコエコパークネットワーク Japanese Biosphere Reserves Network
12.日本ユネスコ協会連盟 PYP実行委員会
13.公益財団法人ユネスコ・アジア文化センター
14.「ユネスコ教育勧告」若者向け対話型教材づくりプロジェクト
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セカイを知るPart2:ミドリムシで世界を救う!基調講演
午後のプログラムは、株式会社ユーグレナ代表取締役社長の出雲充氏による基調講演「僕はミドリムシで世界を救うことに決めました」から始まりました。これからの不確実な世界を生きるユースに向けた、未来を切り拓くための視点を得ることのできた講演でした。出雲氏は、大学生当時にバングラデシュの貧困と飢餓の厳しい現実を目の当たりにし、起業を決めました。講演では、世界初の微細藻類ミドリムシ(ユーグレナ)の食用屋外大量培養を成功させるまでのプロセス、ソーシャルビジネスを行う上での努力と挑戦について語られました。アンケートでは「失敗しても何度も繰り返すことが成功への道だと聞き、色々失敗しながらもやっていきたいと思った」「漠然とした不安が、自らの手で未来を創っていけるという希望に変わった」といった前向きな感想が多数寄せられ、一歩踏みだす勇気をもらえる時間となりました。

株式会社ユーグレナ代表取締役社長 出雲充氏
セカイを知るPart3:次の一歩を踏み出すパネルディスカッション
続いて行われたユネスコ加盟75周年記念パネルディスカッションでは、出雲充氏、株式会社食の会代表取締役の長内あや愛氏、次世代委員の苗代昇妥が登壇し、吉田夏希がモデレーターを務めました。本セッションでは、「挑戦の『原点』と『最初の一歩』」、そして「その活動がどのように『セカイ』へと広がり、ユネスコと関わっていったのか」というテーマを中心に議論が交わされました。
ディスカッションの中で登壇者からは、「自分の好きなことや興味を突き詰め、その道を進むことで必ず未来は拓けていく」というメッセージが送られました。さらに、自分の好きな分野と全く関係のない要素を結びつけ、社会貢献へとつなげる「掛け算」の学びによって、新たな可能性が広がることが共有されました。また、キャリア教育やアントレプレナーシップ教育の観点から、「get out of comfort zone(心地よい領域から抜け出すこと)」の重要性が強調され、まだ出会ったことのないコミュニティや未知の場所へ積極的に足を運ぶことが、結果として自分自身の使命を見つけることにつながると語られました。
多様なバックグラウンドを持つパネリストの生の声や体験談を通じて、参加者一人ひとりが今後の具体的なアクションや、次の一歩を踏み出すためのヒントを得る実りある時間となりました。
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セカイを知るPart4:3つの視点から深掘り!分科会活動報告
後半は、教育・科学・文化の3つのワーキンググループ(分科会)に分かれ、活動報告や参加者同士のディスカッションが行われました。
【教育分科会】「ユネスコの教育分野における学びのかたち 〜若者参画から見えてきた視点〜」をテーマに、まずはユネスコが教育分野で重点的に取り組んでいる内容が共有されました。その後、岡山で開催されたグローバルRCE※会議での議論を踏まえ、ESDのグローバルな事例や、そこでユースに寄せられる期待について紹介がありました。また、「UNESCO International Forum on the Futures of Education 2024」への参加経験を通じて、地域の魅力を活かしたローカルな学びの場づくりについても報告されました。抽象的になりがちな教育とユネスコのつながりを、世界、日本、地域、そして個人という多層的な視点から具体的に紐解いていく、充実した時間となりました。
※RCE:持続可能な開発のための教育に関する地域の拠点(Regional Centre of Expertise on Education for Sustainable Development)の略
関連Youthnote:岡山宣言が示すこれからの教育分野におけるユースの役割〜第14回グローバルRCE会議に参加して〜

教育分科会報告:川端優木
【科学分科会】 「『守る』から『共に生きる』へ 〜ユネスコエコパークが示す、これからの暮らし〜」をテーマにしたこの分科会では、まず科学分野がカバーする幅広い活動内容の紹介からスタートしました。続いて、MAB※※に関するグローバルな視点や中国での活動報告、さらには国内でのローカルな実践例が紹介されました。グローバルとローカル、双方の視点を織り交ぜたことで、参加者一人ひとりが「ユースとしてエコパークで何ができるか」を具体的にイメージできる貴重な機会となりました。
※※MAB:人間と生物圏計画(Man and the Biosphere programme)の略で、「人と自然の共生」を目指すユネスコの国際プログラム
関連Youthnote:東アジアユネスコエコパーク フィールド研修に参加して ~東アジアのMABユース、湖畔に集う~

科学分科会報告:中村心寧
【文化分科会】 「MONDIACULT 2025最新報告〜『わたし』の日常と『セカイ』の文化政策が『つながる』瞬間〜」をテーマに、まずは国際会議(MONDIACULT 2025)の参加報告を通じて、世界の文化政策の大きな潮流が共有されました。その後のワークショップでは、「5年後、あなたの身の回りから『消えてほしくない文化』(場所、習慣、技術)は何ですか?」という身近な問いをフックに、参加者同士で意見交換が行われました。普段は遠い話題に感じがちな「文化政策」を自分自身の日常に引き寄せ、その多様性や重要性を「自分事」として捉え直す、気づきの多いセッションとなりました。

文化分科会報告:長澤パティ明寿
クロージング:今日から始める「Next Action」
フォーラムの最後には、当日の写真をスライドで流しながら1日を振り返り、参加者一人ひとりが「今日会場を出たあと起こしたいアクション(Next Action)」をカードに記入し、グループで宣言し合いました。
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グループごとにNext Actionを宣言
参加後アンケートでは、フォーラム全般について「とてもよかった(71.9%)」「良かった(28.1%)」と、回答者全員から非常に高い評価を得ました。自由記述の感想でも、「ユネスコについてはあまり詳しくなかったのですが、興味が湧く分野を見つけられて大変嬉しく思います」「山梨から来たのでとても不安でしたが、貴重な体験になりました」「新しい人との出会がたくさんありました」「ユースの方々の活動が未来への希望に思えます」といった嬉しい声が多く寄せられました。
今回のユース・フォーラムは、それぞれのユースが持つ多様な「セカイ」を共有し、新たな一歩を踏み出すための有意義な1日となりました。この場で得た気づきやつながりを大切に、サステナブルな未来に向けたユースたちのこれからの活躍に期待が高まります。

次世代ユネスコ国内委員会集合写真
DATA
| イベント名 | ユネスコ加盟75周年記念「ユネスコ日本ユース・フォーラム2025/26」 |
|---|---|
| 日時 | 2026年2月 8日(日)10:30~17:00 |
| 場所 | 日本教育会館 |
| 主催 | 文部科学省/日本ユネスコ国内委員会/公益財団法人五井平和財団 |
| 企画 | 次世代ユネスコ国内委員会 |
| 後援 | 公益社団法人日本ユネスコ協会連盟 |
| 執筆 | 次世代ユネスコ国内委員会委員(2026年3月現在)佐藤世壱 |
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