会議で出会ったユース

皆さんこんにちは！次世代ユネスコ国内委員会の小林真緒子です。
2024年9月10日〜13日、タイのバンコクにて6th Asia-Pacific Meeting on Education 2030 （APMED 6）が開催され、私はそのうちのテクニカルセッション（9月10日〜12日）に参加しました。本会議では、アジア太平洋地域内外の関連組織から約150名の主要な教育関係者が集まり、 「Transforming the What and How of Learning for a Sustainable Future」をテーマのもと、持続可能な未来の学びに向けた変革について議論が行われました。SDGsの達成目標年である2030年が迫る中、私たちは「何を」「どのように」変革すべきなのか、より具体的な方向性を定める重要な時期を迎えています。
会議では、教育への投資拡大や教師教育の拡充、AIの活用など多様な解決策が提案され、そのために、国、世代、セクター同士の協力のあり方について議論されました。その中でも特に、ユースの声を政策決定の過程にどのように組み込むかなど、ユースの力を積極的に活かしていくことが重要な議題として強調されました。

このようにユースの声や活動が注目される中、私は会議初日に行われたユースセッションに、パプアニューギニア、インド、カンボジア、カザフスタンのユースと共に登壇しました。本セッションは「Young People Are The Future: Sustainability and the Future of Learning」というテーマのもと、持続可能な未来の学びを創るユースの強い意志を表明し、その上で政策決定のプロセスにユースがどのように参画するべきかを共に考える場となりました。

登壇の様子

セッションの前半には、登壇者それぞれが自国における課題感や取り組みを紹介しました。私は自分が代表理事を務める一般社団法人アンカーが行っている、探究的な学びの場におけるユース同士（大学生と中高生）の学び合いの取り組みを紹介し、その効果と可能性についてお話しました。特に強調したのは、ユースは教育を受ける対象であるだけでなく、教育の場をつくる重要な存在であることです。後半では、各国においてユースと政府が協働した事例を、ユースと当該国政府代表者との対話により紹介しました。私は文部科学省の方と対話し、次世代ユネスコ国内委員会やこども家庭庁の若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループとしての活動を紹介しました。これらの事例は、多くの国においてユースの声を政策決定のプロセスに組み込むことが求められている中、先進的な取り組みとして注目されました。

登壇の様子

ユースセッションへの登壇を含め会議全体を通して印象的だったのは、多様な世代やセクターの人々がユースを重要なステークホルダーとして迎え入れていること、そして何より、ユースが声をあげるだけでなく、ユース自身が中心となってアクションを起こし、率先して変革をリードしていくのだという熱量です。もちろん、ユースが意見を発信することは大切です。しかし、その後に声を行動に変えるために周囲の協力を待っているだけでは、変革はなかなか進んでいきません。だからこそ、私たちユース世代が率先して動き出すことで、他の世代にも刺激を与え、協働のかたちがみえてくるのではないかと強く感じました。このような気づきを得られたのは、普段の取り組みがあってこそのものであり、自分たちの役割や活動の可能性を再認識する貴重な時間でした。

次世代ユネスコ国内委員会が組織されてから、今年度で4年目を迎えます。これまで委員のみんなで、私たちは「どういった立場で」「どのように活動するべきか」を模索しながら活動を続けてきました。この度、APMED 6という国際的な会議において、私たちの活動を先進事例として紹介できたことは非常に誇りに思います。今後も持続可能な未来の学びに向けた歩みを加速するエンジンとして、より活発に活動し、アジア太平洋地域、世界をリードするユース組織としての役割を果たしていきたいです。

最後に、UNESCOバンコク事務所の皆さんや、ユースセッションのリードをしてくれたSDG4 のユースメンバーの前向きで暖かいサポートに心から感謝致します。加えて、貴重な機会を与えてくださった文部科学省の皆様に深く感謝申し上げます。

登壇をサポートしてくれたSDG4 YOUTH & STUDENT NETWORKのメンバーと